特定整備の看板(標識)|色・寸法・記載事項と旧「分解整備」看板の扱い
特定整備の看板(標識)とは
認証を受けた自動車特定整備事業者が、事業場に掲げるよう法律で定められた標識です。
一般に「特定整備の看板」と呼ばれているものは、正式には自動車特定整備事業者の標識です。道路運送車両法第89条第1項は、自動車特定整備事業者に対し、事業場ごとに公衆の見やすいように、国土交通省令で定める様式の標識を掲げるよう義務づけています。様式は道路運送車両法施行規則第62条により第20号様式と定められています。
2020年(令和2年)4月1日の特定整備制度の施行で、それまでの「自動車分解整備事業」は「自動車特定整備事業」に改められました。あわせて看板の様式も変わり、電子制御装置整備を行うかどうかで地の色が分かれるようになっています。
看板には、認証した地方運輸局長名、事業の種類(例:普通自動車特定整備事業)、対象とする自動車の種類(例:普通自動車(乗用))を表示します。お客様にとっては「この工場はどの車のどの整備の認証を受けているか」が一目でわかる表示であり、運輸局の監査でも確認される項目です。
第20号様式で決められている寸法・記載事項・材質
様式の図と備考に、寸法・表示内容・材質・色が定められています。

| 項目 | 第20号様式の定め |
|---|---|
| 横幅 | 360mm |
| 標章 | 高さ60mm、赤色 |
| 文字の高さ | 「〇〇運輸局長認証」20mm/事業の種類(例:普通自動車特定整備事業)50mm/対象とする自動車の種類 20mm |
| 事業の種類が2つ以上 | 「普通」「小型」を2段に重ねて「普通/小型 自動車特定整備事業」のように表示し、「普通」「小型」の文字は縦25mm |
| 整備の種類・装置を限定 | その旨を表示(例:普通自動車(中型)(電子制御装置整備(自動運行装置を除く)に限る)) |
| 対象自動車が4つ以上 | 装置を限定しないものが4以上のときは左右2列に配置 |
| 材質 | 金属製または合成樹脂製 |
| 色 | 分解整備の全部と電子制御装置整備を行う事業場は若草色地に黒文字、それ以外は橙黄色地に黒文字 |
対象とする自動車の種類は、普通自動車(大型)、普通自動車(中型)、普通自動車(小型)、普通自動車(乗用)、小型四輪自動車、小型三輪自動車、小型二輪自動車、軽自動車、大型特殊自動車の区分で表示します。認証書に書かれた区分と同じ表記にそろえるのが基本です。
縦の総寸法は、様式の図には明記されていません。文字の高さと行数で必要な縦幅が変わるため、看板を発注する前に、認証書の記載内容と配置案を運輸支局の整備担当に見てもらうと作り直しを防げます。
看板の色の違い(若草色と橙黄色)
地の色は、分解整備の全部と電子制御装置整備の両方を行う事業場かどうかで決まります。

第20号様式の備考(7)は、分解整備の全部と電子制御装置整備を行う事業場の標識を若草色地に黒文字、それ以外を橙黄色地に黒文字とし、標章は赤色とするよう定めています。
ここでいう「分解整備の全部と電子制御装置整備を行う」とは、対象とする自動車のうち少なくとも1つについて、分解整備の全部と電子制御装置整備の両方を行う事業場を指します(自動車整備事業の取扱い及び指導要領 別添1)。つまり、次のような事業場は橙黄色になります。
- 電子制御装置整備だけの認証を受けた事業場(ガラス専門店がカメラ付きガラスの交換のために認証を取った場合など)
- 分解整備だけを行い、電子制御装置整備の認証を受けていない事業場
- 整備の種類や装置を限定して認証を受けた事業場(例:分解整備のうち走行装置・操縦装置に限る)
運転支援装置のうち自動運行装置を扱わない場合、看板には「電子制御装置整備(自動運行装置を除く)」と表示します。自動運行装置を除いていても、分解整備の全部と組み合わせて認証を受けていれば若草色の対象です。
旧「分解整備」の看板はそのまま使えるか
名称・所在地・作業場の寸法を変えない限り、旧看板をそのまま掲げておけます。
制度の施行前から掲げている「自動車分解整備事業」の看板について、国土交通省の「特定整備制度に関するよくある質問・問答」(問9)は、すぐに掛け替える必要はないとしています。表記を「特定整備」に改める必要が出るのは、次のいずれかを変更したときです。
- 事業者の氏名・名称または住所を変更したとき
- 事業場の所在地を変更したとき
- 屋内作業場の面積・間口・奥行を変更したとき
電子制御装置整備の認証を新たに受けた場合は、事業の内容が変わるので、表示内容と色をあらためて確認してください。分解整備の全部と電子制御装置整備の両方を行うようになれば、看板は若草色地になります。
看板を作り直すときは、認証書の記載どおりに事業の種類と対象自動車を並べ、限定がある場合はその旨も入れます。
指定工場の標識との違い
指定工場(民間車検場)の標識は、特定整備の看板とは別の様式です。
| 項目 | 特定整備の看板(認証工場) | 指定工場の標識 |
|---|---|---|
| 根拠 | 道路運送車両法第89条、同施行規則第62条・第20号様式 | 指定自動車整備事業規則第15条・第5号様式 |
| 大きさ | 横幅360mm(縦は図に明記なし) | 横500mm×縦360mm |
| 色 | 若草色地または橙黄色地に黒文字、標章は赤 | 青地に白文字、標章も白 |
| 表示 | 「〇〇運輸局長認証」「〇〇自動車特定整備事業」と対象自動車 | 「〇〇運輸局長指定」「指定自動車整備事業」 |
指定工場は、認証工場のうち、自動車検査員が保安基準適合証を交付できるとして指定を受けた工場です。指定工場であっても電子制御装置整備を行うには特定整備の認証区分が必要で、2021年10月1日以降、電子制御装置整備の認証がない指定工場は、対象車両に保安基準適合証を交付できなくなりました。
看板を掲げないとどうなるか・認証前に掲げた場合
掲示しないまま特定整備を続けると行政処分の対象になり、無認証で掲げると罰金の対象になります。
近畿運輸局の認証取得説明資料は、標識を掲示しないまま特定整備を続けることは行政処分の対象になると説明しています。認証を受けたら、認証書は事務所内に、標識は事業場の公衆の見やすい場所に掲げます。
反対に、認証を受けていない者が自動車特定整備事業者の標識や、これに類似する標識を掲げることは、道路運送車両法第89条第2項で禁止されています。違反した場合は30万円以下の罰金です(第110条第1号)。開業準備で看板を先に発注する場合も、掲示は認証の通知を受けてからにしてください。
なお、認証を受けずに特定整備事業を経営したり、認証で限定された範囲を超えて作業したりすると、50万円以下の罰金の対象になります(第109条第11号・第12号)。看板の問題にとどまらないので、作業範囲と認証の範囲が合っているかをあわせて確認しておきましょう。
認証取得後に整えておきたい実務
看板の次は、記録簿と対象車両の確認を日常業務に組み込みます。
電子制御装置整備の認証を受けると、対象車両でのエーミング作業や、センサー付きガラス・バンパーの脱着を受けられるようになります。入庫車が対象車両かどうかはエーミング対象車両の検索で、メーカー別の傾向はエーミング対象車種一覧で確認できます。
作業後は特定整備記録簿に記録し、写しをお客様に渡して2年間保存します。書き方は特定整備記録簿の書き方にまとめています。整備主任者は毎年度、法令研修(2時間以上)と技術研修(6時間以上)を受ける必要があることも忘れずに予定へ入れておきましょう。
認証を取ったら、入庫車が対象車両かどうかを作業前に確認しましょう。
エーミング対象車両を検索する検索の使い方を見る※検索画面はパソコンでの利用を前提にしています。スマートフォンでは入力欄が表示されないため、パソコンからご利用ください。
特定整備の看板に関するよくある質問
特定整備の看板は必ず掲げなければいけませんか。
はい。道路運送車両法第89条第1項で、自動車特定整備事業者は事業場に公衆の見やすいように標識を掲げなければならないと定められています。認証書は事務所内に掲示します。
看板の色は若草色と橙黄色のどちらにすればよいですか。
分解整備の全部と電子制御装置整備の両方を行う事業場は若草色地に黒文字、それ以外は橙黄色地に黒文字です。電子制御装置整備だけの事業場、分解整備だけの事業場、作業や装置を限定した認証の事業場は橙黄色になります。
「分解整備」と書かれた古い看板のままでも違法になりませんか。
そのまま使えます。国土交通省の問答では、事業者の氏名・名称・住所、事業場の所在地、屋内作業場の面積・間口・奥行のいずれかを変更したときに「特定整備」の表記へ改める必要があるとされています。
看板の大きさに決まりはありますか。
施行規則第20号様式で横幅360mm、標章の高さ60mm、文字の高さ(認証した運輸局長名20mm、事業の種類50mm、対象自動車20mm)が示されています。縦の総寸法は様式の図に書かれていないため、発注前に運輸支局で確認すると確実です。
指定工場の看板と特定整備の看板は両方必要ですか。
指定工場の標識は指定自動車整備事業規則の第5号様式で、横500mm×縦360mm、青地に白文字の別の標識です。指定工場は認証工場の中から指定を受けた工場なので、それぞれの事業の標識を掲げます。
認証を受ける前に看板だけ用意して掲げてもよいですか。
認証を受けていない者が自動車特定整備事業者の標識やこれに類似する標識を掲げることは禁止されており(第89条第2項)、違反は30万円以下の罰金の対象です(第110条第1号)。看板の設置は認証を受けてからにしてください。
認証を取ったあと、記録簿や事務の手間を減らすには。
認証工場は特定整備記録簿の作成・保存や整備主任者の研修受講など、日々の事務が増えます。記録簿を電子で作成・保存できる自動車整備システム(自動車整備ソフト)を使うと転記の手間を抑えられます。整備システム 比較や整備ソフト おすすめを調べる際は、整備ソフト 安いかどうかだけでなく、整備システム リースなしの導入形態、車両販売システム・車販ソフトとの連携もあわせて確認してください。
出典・関連ページ
このページは次の一次情報をもとに作成しています(2026年10月3日確認)。
- 道路運送車両法(第89条・第109条・第110条):https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000185
- 道路運送車両法施行規則(第62条・第20号様式):https://laws.e-gov.go.jp/law/326M50000800074
- 国土交通省「特定整備制度に関するよくある質問・問答」(問9):https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001388156.pdf
- 国土交通省「自動車整備事業の取扱い及び指導要領」(別添1):https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001899927.pdf
- 近畿運輸局「認証取得説明用資料」:https://wwwtb.mlit.go.jp/kinki/content/000246231.pdf
- 指定自動車整備事業規則(第15条・第5号様式):https://laws.e-gov.go.jp/law/337M50000800049
※看板の具体的な配置や表記は、認証書の内容によって異なります。発注前に管轄の運輸支局または各都道府県の自動車整備振興会にご確認ください。