エーミングに必要な資格と講習|電子制御装置整備の資格取得講習と毎年度の整備主任者研修
エーミングに必要な資格とは
「エーミング資格」という単独の国家資格はなく、認証工場の人員と整備主任者に要件があります。
つまり、二級整備士の方がエーミングを行う工場で整備主任者になるには、資格取得講習を一度修了する必要があります。一級大型・一級小型の合格者は講習が要りません。このページでは、工員と整備主任者の要件、資格取得講習の中身と申込先、毎年度の整備主任者研修を、国土交通省と運輸局の資料に沿って整理します。認証の要件全体(作業場の寸法や申請書類)は「特定整備の認証の取り方」で解説しています。
工員と整備主任者の資格要件
電子制御装置整備だけか、分解整備もあわせて行うかで、認められる整備士の種類が変わります。
| 事業場の区分 | 整備主任者になれる人(施行規則第62条の2の2第1項第7号) |
|---|---|
| 電子制御装置整備のみ | 一級自動車整備士(一級二輪を除く)の合格者です。または、一級二輪・二級・自動車車体・自動車電気装置の各整備士の合格者で、資格取得講習を修了した者です。 |
| 分解整備と電子制御装置整備の両方 | 一級自動車整備士(一級二輪を除く)の合格者です。または、一級二輪・二級の整備士の合格者で、資格取得講習を修了した者です。車体整備士と電気装置整備士は含まれません。 |
| 分解整備のみ | 一級または二級の自動車整備士の合格者です(講習は不要)。 |
整備主任者は事業場ごとに選任し、他の事業場の整備主任者との兼任は認められません。選任や変更から15日以内に運輸支局長へ届け出る必要があり、講習修了が条件の区分では、修了を証する書面を添付します(施行規則第62条の2の2第2項・第3項)。分解整備と電子制御装置整備の両方の認証を受ける場合、分解整備の整備主任者と電子制御装置整備の整備主任者を別の人に分けて選任できません(国土交通省FAQ問12)。
近畿運輸局の資料によると、整備主任者は特定整備後の出来映えの確認、作業管理、保安基準適合性の確認、特定整備記録簿の記載と保存を統括します。整備主任者に必要な整備士資格の取り方は、姉妹サイトの「整備主任者になるには」をご覧ください。
電子制御装置整備の整備主任者等資格取得講習
学科、実習、試問の3つで構成され、試問の正答率80%以上で修了です。
- 受講できるのは、一級二輪、二級ガソリン、二級ジーゼル、二級シャシ、二級二輪、自動車電気装置、自動車車体の各整備士の合格者などです(四国運輸局の案内)。
- 試問に合格しなかった場合は、試問を受けた運輸支局で、試問の日から1年以内に1回だけ再試問を受けられます。
- 再試問にも合格しなかった場合は、学科と実習をもう一度受け直します(奈良運輸支局の案内)。
- 修了証は再交付されません。修了したことの証明は「修了証明願」で受けられます。
学科のテキストは国土交通省のホームページで公開されており、特定整備の対象作業、認証のパターン、設備と工員の基準、記録簿の書き方などがまとまっています。整備主任者になる予定がない工員でも、エーミングの作業前に読んでおくと、なぜ整備要領書どおりに作業するのかがつかめます。
資格取得講習の申込先と受講の流れ
学科と試問は運輸支局、実習は自動車整備振興会などの認定機関が窓口です。
- 開催案内を確かめる:学科・試問の日程は運輸支局ごとに公表されます。国土交通省のFAQ問11も、開催日は最寄りの運輸支局に問い合わせるよう案内しています。
- 実習を受ける:実習は、運輸支局等が認定する地方の自動車整備振興会などで行われます。四国運輸局の案内では、メーカー系ディーラーなどのうち運輸支局長が認定した「支局長認定講習機関」でも実施されます。
- 学科・試問を申し込む:受講申請書、受講票、整備士の合格証書の写し、証明写真などを、運輸支局の指定する窓口に出します。奈良では窓口が自動車整備振興会に変わったなど、提出先は地域で違います。
- 学科と試問を受ける:学科と試問は原則として同じ日に続けて行われます。実習を受けていなくても学科は受けられますが、試問は受けられません。
- 修了証を受け取る:修了証の写しを整備主任者の選任届に添付します。
一例として、山形運輸支局の令和8年度第2回の案内では、実習が山形県自動車整備振興会の実習室で2時間30分(午前または午後)、学科と試問が同じ日の午後に行われ、学科が1時間、試問が30分でした。費用は実習が10,000円、学科・試問はテキスト代1,000円と書かれています。日程、費用、申込期限は運輸支局と実施機関ごとに違うため、受講する地域の案内で確かめてください。
四国運輸局は、整備主任者の技術研修に資格取得講習の実習と同じ内容が含まれる場合、事前に支局長の承認を受ければ、その研修を実習と兼ねられると案内しています。
毎年度の整備主任者研修(法令研修・技術研修)
資格取得講習とは別に、選任された整備主任者は毎年度研修を受けます。
| 項目 | 法令研修 | 技術研修 |
|---|---|---|
| 対象者 | 届け出た整備主任者の全員です。 | 届け出た整備主任者です。複数いる事業場は1名以上でかまいません。 |
| 回数 | 毎年度1回です。 | 毎年度1回です。 |
| 時間 | 2時間以上です。 | 実習を含めて6時間以上です。 |
| 実施者 | 運輸支局長が自動車整備振興会の協力を得て行います。 | 自動車整備振興会、または運輸支局長が認定した機関が行います。 |
| オンライン | 実施できます。 | 実習以外は実施できます。 |
技術研修を1名だけが受けた事業場では、受講した整備主任者がほかの整備主任者に事業場内で教育するよう指導することとされています。技術研修の認定機関には、メーカー系ディーラー、輸入車ディーラー、自動車整備商工組合、自動車車体整備協同組合が挙げられています。自動車検査員に選任されていて、同じ年度の自動車検査員研修を修了した人は、法令研修を受けたものとして扱われます。
資格取得講習は一度修了すれば足りますが、整備主任者研修は毎年度続きます。山形運輸支局の案内も、資格取得講習は整備主任者研修と違ってすでに修了証を受けた人は対象にならない、と注意しています。
エーミング作業と整備士の実務経験
エーミング作業は、自動車電気装置整備士の受験資格となる実務経験に含まれます。
国土交通省のFAQ問17は、エーミング作業が自動車整備士技能検定の受験資格の一つである実務経験に含まれるかという質問に、自動車電気装置整備士の実務経験に含まれると答えています。一方、問18は、自動車ガラスの施工作業は実務経験に含まれないとしています。ガラス交換の会社で働きながらエーミングにも関わっている方は、どの作業を実務経験として数えられるかを確かめておくと、受験の計画が立てやすくなります。
講習を修了した整備主任者は、事業場の外で行う特定整備の管理にも関わります。2025年6月30日に始まった訪問特定整備では、整備主任者のうち少なくとも1人を「訪問特定整備等管理者」にする必要があります。詳しくは「訪問特定整備とは」をご覧ください。作業で使う機器は「エーミングのターゲットとは」、整備要領書の入手先は「FAINES(ファイネス)とは」で解説しています。
エーミングの資格と講習に関するよくある質問
二級整備士はエーミングの作業ができますか。
電子制御装置整備の認証を受けた事業場の工員として作業できます。ただし、その事業場には、一級整備士(一級二輪を除く)か、資格取得講習を修了した整備士が1人以上いる必要があります。二級整備士が整備主任者になるには講習の修了が必要です。
一級整備士は資格取得講習を受ける必要がありますか。
一級大型・一級小型自動車整備士の合格者は不要です。一級二輪自動車整備士の合格者は講習の修了が必要です。
資格取得講習は毎年受けるのですか。
一度修了すれば再受講は要りません。毎年度受けるのは整備主任者研修(法令研修2時間以上・技術研修6時間以上)で、資格取得講習とは別のものです。
講習の日程や費用はどこで分かりますか。
学科と試問は運輸支局、実習は自動車整備振興会などの実施機関が案内しています。日程と費用は地域ごとに違うため、受講する運輸支局のホームページで確かめてください。
整備主任者の研修記録や選任の情報をシステムで管理できますか。
整備主任者の研修や講習の記録そのものは紙の台帳でも管理できます。エーミングを含む作業の記録と特定整備記録簿の作成は、自動車整備システムや自動車整備ソフトで整備主任者名とあわせて残すと確認の手間が減ります。整備システム・整備ソフト DREAM POWER は車両販売システムとしても使え、車販ソフトと別々に入力せずに済みます。整備システム 比較の進め方、整備ソフト おすすめの条件、整備ソフト 安いものを選ぶときの注意点、整備システム リースなしで探す場合のご相談は、日本カーネットまでお寄せください。
出典・関連ページ
このページは次の一次情報をもとに作成しています(2026年10月17日確認)。
- 道路運送車両法施行規則 第57条・第62条の2の2(e-Gov法令検索):https://laws.e-gov.go.jp/law/326M50000800074
- 国土交通省「自動車整備事業の取扱い及び指導要領について(依命通達)」(別添4 整備主任者研修実施要領):https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001899927.pdf
- 国土交通省「特定整備制度に関するよくある質問・問答」(問11・問12・問17・問18):https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001388156.pdf
- 国土交通省「特定整備制度の概要」:https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001332203.pdf
- 国土交通省「電子制御装置整備の整備主任者等資格取得講習」テキスト:https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001331469.pdf
- 四国運輸局「整備主任者等資格取得講習」:https://wwwtb.mlit.go.jp/shikoku/syuninsya_kosyu.html
- 近畿運輸局 奈良運輸支局「電子制御装置整備の整備主任者等資格取得講習」:https://wwwtb.mlit.go.jp/kinki/nara/kensa_seibi_hoan/licenseofelectronicalcontrolunit.htm
- 東北運輸局 山形運輸支局「電子制御装置整備の整備主任者等資格取得講習の実施について」(令和8年6月4日):https://wwwtb.mlit.go.jp/tohoku/yg/seibi/sub2-3/denshi_02_r8-6.pdf
- 近畿運輸局「自動車特定整備事業の認証取得について」:https://wwwtb.mlit.go.jp/kinki/content/000246231.pdf
※講習と研修の日程・費用・申込方法は、運輸支局と実施機関ごとに違います。受講の前に、管轄の運輸支局と自動車整備振興会の最新の案内をご確認ください。
EV / ADAS
EV・ADAS整備ガイド
エーミング、高電圧整備、ADASの整備を、制度と作業の両面からまとめています。







