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FAINES(ファイネス)とは|整備情報の入手方法とエーミング認証の要件

FAINES(ファイネス)とは

日本自動車整備振興会連合会(日整連)が運営する、整備事業者向けの整備情報提供システムです。

FAINES(ファイネス)とは、一般社団法人 日本自動車整備振興会連合会(JASPA、日整連)がインターネットで運営している整備情報提供システムです。自動車メーカーが発行する整備マニュアル(整備要領書)をはじめ、故障整備事例、新型車・新機構の解説、回路図、点検基準値、標準作業点数、リコール・改善対策情報などをパソコンから検索して閲覧できます。利用するには事業者としてFAINESに入会し、所属する自動車整備振興会から会員番号とパスワードの通知を受けます。国土交通省は、国産乗用車メーカー8社の点検整備情報がFAINESを経由して提供されていると公表しており、電子制御装置整備(エーミング)の認証で求められる「型式に固有の技術上の情報を入手できる体制」の例にもFAINESが挙げられています。

整備要領書を紙で買いそろえると、購入費と保管場所の負担が大きくなります。日整連はこの点を挙げ、FAINESならサービスマニュアルを「整備関連情報」から検索して何度でも閲覧できると案内しています。このページでは、FAINESで見られる情報、加入の手続きと利用料金、メーカーの情報提供義務(道路運送車両法第57条の2)、そしてエーミングの認証要件との関係を、公式資料の記載に沿って整理します。

エーミングの作業内容や、静的エーミング・動的エーミングの違いは「エーミングとは」で解説しています。

FAINESで見られる情報の内容

メーカー発行の整備マニュアル情報と、日整連発行の技術書籍の多くが対象です。

メニュー日整連の説明
整備マニュアル情報キーワード検索や個別指定検索で、該当車種の整備書を閲覧できます。メーカーによっては解説書や配線図も見られます。
自動車整備標準作業点数表車種ごとの標準作業点数を確認できます。
故障整備事例&アドバイス情報実体験をもとにした故障現象の原因と整備内容が載っています。メーカーからのアドバイス情報も届きます。
車両データ故障していない正常車両からスキャンツールで取得したデータをダウンロードできます(対応機種メーカーは日立、デンソー)。
技術情報新型車の解説、点検整備方式、整備作業上の注意点を読めます。
サービス・データ主要諸元と点検整備の基準値を確認できます。
タイミング・ベルト交換要領エンジン型式別に交換要領を閲覧できます。
自動車整備新技術整備主任者研修用の資料を閲覧できます。
電子燃料噴射装置故障探究マニュアル主要車種のエンジン回路図や自己診断方法が載っています。
リコール・改善対策情報型式や届出番号をキーワードにして該当車を検索できます。

表は日整連の「情報の内容は?」のページをもとにしています。このほか、国土交通省などからの通達、関連団体や自動車メーカーの発信情報も載っています。FAINESの情報を無断で転用することは著作権法上禁じられている、と日整連は注意書きをしています。体験版の案内も同じページにあります。

車両データは、正常な車から取ったデータと故障車のデータを比べて原因を探すための材料です。日立製のスキャンツールで取得したデータには「PCデータセーバー」、デンソー製には「PC2000Pro/DST-PC」が要ると案内されています。手持ちのスキャンツールのメーカーによって使える範囲が変わるため、加入前に確かめておくと無駄がありません。

FAINESの加入方法と利用料金

所属する自動車整備振興会に入会申込書を出し、会員番号とパスワードを受け取ります。

FAINESに加入するには、FAINES利用規程を確認したうえで「FAINES入会申込書」を所属の自動車整備振興会などに提出します。後日、振興会から会員番号とパスワードが通知され、利用を始められます。資料請求は最寄りの振興会に直接行い、案内パンフレットと入会申込書を受け取れます。日整連の掲載によると、サービス料金(令和4年8月現在)は、正会員が入会金13,200円・基本料金月額1,650円、準会員が入会金38,500円・月額4,950円、外部会員が入会金38,500円・月額6,600円です(いずれも税込)。基本料金で全ての情報が見放題になり、支払いは口座振替で年4回(5月・8月・11月・2月)まとめて引き落とされます。
会員区分入会金(税込)基本料金(税込)
正会員13,200円月額1,650円
準会員38,500円月額4,950円
外部会員38,500円月額6,600円

料金は日整連のページに「令和4年8月現在」と書かれている額です。どの事業者がどの会員区分になるかは「FAINES関連規程」で決められているので、自社の区分は所属の振興会に確かめてください。振替日は振替月の6日で、5月に1〜3月分、8月に4〜6月分、11月に7〜9月分、2月に前年10〜12月分が引き落とされます。

閲覧の推奨環境は、OSがWindows 11、ブラウザがMicrosoft Edgeです。一部の情報はEdgeのIEモードで開く必要があり、整備マニュアル情報の閲覧にはAdobe Acrobat Readerが要ります。ニッサンとホンダ(四輪)の整備マニュアルのイラストにはAdobe SVG Viewer、ニッサンの配線図(eWD)には「梅フォント」のインストールが必要です。タブレットだけで済ませようとすると表示できない情報が出るため、事務所か作業場に推奨環境のパソコンを1台置いておくと安心です。

メーカーの整備情報提供義務(道路運送車両法第57条の2)

2020年4月1日から、自動車メーカーと輸入事業者に型式固有の情報の提供が義務付けられています。

メーカーの整備情報提供義務とは、道路運送車両法第57条の2第1項により、自動車メーカーと輸入事業者(法律上の「自動車製作者等」)が、自動車特定整備事業者と自動車の使用者に対して、点検・整備に必要な「自動車の型式に固有の技術上の情報」を提供しなければならないとする定めです。2020年4月1日に施行されました。国土交通省の資料によると、対象は原則として全ての車両で、メーカーがディーラーに提供している情報(整備要領書、専用スキャンツール、ターゲット等の作業機器を含む)が範囲になります。新車の発売日から6か月以内に提供し、有償でもかまいませんが、ディーラーへの提供と差のない価格にする必要があります。盗難や不正改造につながるおそれのある情報と、販売時に行う制御装置のプログラム初期化に関する情報は除かれます。

この義務ができる前から、整備要領書などの情報はメーカーの協力のもとFAINESに集約され、整備工場はインターネット経由で有料で入手できました。それでも一部の車種や装置で情報が出ていない、提供の方法がそろっていないといった課題があったため、法律で義務にした、と国土交通省は経緯を説明しています。電子制御装置整備の資格取得講習テキストでは、提供方法として「日本自動車整備振興会連合会が運用しているFAINESなど容易に入手できるようにしなければいけない」と書かれています。

  • 少数台数の車両などは、問い合わせに応じて提供する方法でもかまいません。
  • 自動運行装置のような高度な技術の情報は、技能や設備を確認したうえで契約を結んだ者に限って提供できます。
  • メーカーがサポートを終え、ディーラーにも提供しなくなった情報は義務から外れます。
  • OEM車の情報は、原則として供給元が提供します。

情報が出ていないと思われる事例が起きた場合、当面は「自動車整備技術の高度化検討会」の場で整備事業者とメーカーの意見を聞いて調整する、と国土交通省の概要資料に書かれています。

電子制御装置整備の認証要件と「型式固有情報の入手体制」

情報を「持っている」ことより、必要なときに「入手できる体制」が求められます。

型式固有情報の入手体制とは、電子制御装置整備(エーミング)の認証を受ける事業場に求められる要件の一つです。道路運送車両法施行規則第57条第5号は、法第57条の2第1項の「自動車の型式に固有の技術上の情報」と、エーミング作業に必要な機器を入手できる体制を持つことを定めています。近畿運輸局の認証取得資料は、その例として、メーカーが作成した整備要領書等を持っていること、日整連が運営するFAINESやインターネットを通じてメーカーが提供する技術情報を常時入手できる環境があること、の2つを挙げています。自動運行装置の点検・整備を行う事業場は、メーカーと情報提供の契約を結ぶなどして情報を入手できることを示す書面が要ります。申請書の第1号様式には「8 電子制御装置整備に必要な情報、エーミング作業に必要な機器を入手できる体制」の欄があります。

全ての車種の整備要領書を手元にそろえることは求められていません。資格取得講習テキストは、ターゲット等の専用器具や整備に必要な情報はメーカー・車種ごとに多種多様で、全車種分をそろえるのは難しいため認証要件にはしないものの、実作業では必要になるので入手方法を確立しておく必要がある、と説明しています。FAINESへの加入は、その入手方法を示すわかりやすい手段の一つです。

認証を受けた後も、型式固有情報は使い続けます。施行規則第62条の2の2第1項第5号は、電子制御装置整備を行う事業場の遵守事項として、型式固有の技術上の情報に基づいて必要な点検と整備を行うことを定めています。同項第6号は、エーミング作業が適切に行われるよう必要な措置を講じることを求めています。申請書類の全体像は「特定整備の認証の取り方」にまとめています。

メーカー別の整備情報の入手先

国産車の点検整備情報はFAINES経由が中心で、輸入車はメーカーごとに窓口が分かれます。

区分メーカー点検整備情報等の提供方法(国土交通省の一覧による)
国産乗用車スズキ、ダイハツ、トヨタ・レクサス、ニッサン、スバル、ホンダ、マツダ、三菱日整連のFAINESを経由して提供されます(トヨタの一部車種は本で提供)。
国産大型バス・トラックいすゞ、日野、三菱ふそうFAINESを経由して提供されます。
国産大型バス・トラックUDトラックスFAINES経由のほか、ライセンス契約によるWeb版でも提供されます。
輸入車アウディ、フォルクスワーゲンなど日本自動車輸入組合(JAIA)のホームページに掲載されています。
輸入車BMWBMW本社の専用情報提供サイト「AOS」に掲載されています。
輸入車ボルボスウェーデン・ボルボ社の専用インターネットサイトを通じて提供されます。

国土交通省の「自動車の点検及び整備に関する情報の提供義務」のページに、国産乗用車、国産大型バス・トラック、輸入車ごとの提供方法と問い合わせ先の一覧が載っています。整備要領書、配線図、専用スキャンツール(メーカー純正診断機)は、それぞれ提供方法と問い合わせ先が違います。たとえば国産乗用車の専用スキャンツールは、各メーカーと仕様許諾契約などを結んだうえで入手方法が個別に連絡される形が多く、窓口もメーカーのサービス部門です。

輸入車には、英語やドイツ語での問い合わせが必要な窓口、販売の妥当性の審査やトレーニング受講が条件になる窓口もあります。輸入車の入庫が多い工場は、一覧で該当メーカーの欄を先に確かめ、FAINESだけで足りるかどうかを判断してください。

エーミング作業で整備情報を使う場面

対象車かどうかの判定から完了処理まで、整備要領書を見ながら進めます。

  • 対象車かどうかを確かめる:前方カメラやレーダーが保安基準の適用を受けている車かを、国土交通省が公表するメーカー作成のリストで判別します。調べ方は「エーミング対象車両の検索方法」をご覧ください。
  • 作業環境を確かめる:必要な広さ、床の状態、明るさは車ごとに違うため、整備要領書で指示された環境を用意します。
  • ターゲットと距離を確かめる:車両ごとに必要なターゲットと、その距離が車両前端からか、センサーからかを整備要領書で確認します。
  • 車両の状態を整える:車両にゆがみがあるとエーミングが正しく終わらないおそれがあるため、四輪アライメントやボディアライメントに不具合がないことを前提にします。
  • スキャンツールで調整する:その車両に対応するスキャンツールで、手順に沿って調整し、故障コードの消去などの完了処理を行います。

手順は国土交通省の「電子制御装置整備の整備主任者等資格取得講習」テキストの実習編に沿っています。同テキストは、作業手順が書かれた整備要領書等を参考に作業する必要があり、そのためFAINESやメーカー、ディーラーなどから整備要領書を入手することが重要だ、としています。

ターゲットの扱いは「エーミングのターゲットとは」、整備主任者の資格と講習は「エーミングに必要な資格と講習」、お客さまの所で作業する場合の決まりは「訪問特定整備とは」で解説しています。作業後の記録は「特定整備記録簿の書き方」を参考にしてください。

FAINESと整備情報に関するよくある質問

FAINESは誰が運営していますか。

一般社団法人 日本自動車整備振興会連合会(日整連)が運営しています。加入の窓口は、各都道府県の自動車整備振興会です。

FAINESに入らないと電子制御装置整備の認証は受けられませんか。

FAINESへの加入そのものは要件として決められていません。施行規則第57条第5号が求めるのは、型式固有の技術上の情報を入手できる体制です。近畿運輸局の資料は、メーカーの整備要領書等を持っていること、FAINESやメーカーのインターネット提供で常時入手できる環境があることを例に挙げています。どの方法で示すかは、管轄の運輸支局で確認してください。

FAINESの利用料金はいくらですか。

日整連の掲載(令和4年8月現在)では、正会員が入会金13,200円・月額1,650円、準会員が入会金38,500円・月額4,950円、外部会員が入会金38,500円・月額6,600円です(税込)。最新の額と自社の会員区分は、所属の振興会に確かめてください。

輸入車の整備要領書もFAINESで見られますか。

国土交通省の一覧では、輸入車の点検整備情報はJAIAのホームページに掲載、BMWは専用サイト「AOS」、ボルボは専用サイトなど、メーカーごとに入手先が分かれています。輸入車を扱う場合は、一覧で該当メーカーの欄を確認してください。

整備情報と一緒に、入庫や作業の記録もまとめて管理できますか。

整備要領書はFAINESやメーカーの窓口で入手し、入庫の受付、見積り、特定整備記録簿は自動車整備システム(自動車整備ソフト)で一元管理すると、エーミングの作業履歴を車両ごとに追いやすくなります。日本カーネットの整備システム・整備ソフト DREAM POWER は整備の記録に加えて車両販売システムの機能も持っており、車販ソフトを別に入れずに済みます。整備システム 比較の資料が欲しい、整備ソフト おすすめを知りたい、整備ソフト 安いものから探したい、整備システム リースなしで選びたい、といったご相談も受け付けています。

出典・関連ページ

このページは次の一次情報をもとに作成しています(2026年10月17日確認)。

特定整備制度とは対象車両・認証区分・作業場の基準
特定整備の認証の取り方要件・必要書類・申請の流れ
エーミングとは車のカメラ・レーダーの校正と必要な作業
エーミングのターゲットとは保有義務・共同保有・借用と確認点
エーミングに必要な資格と講習資格取得講習と毎年度の整備主任者研修
訪問特定整備とは事業場の外で特定整備を行う要件
エーミング対象車種一覧国産・輸入車の車名と型式
エーミング対象車両の検索方法メーカーのリストと車台番号での調べ方

※FAINESの料金、推奨環境、会員区分は日整連の掲載内容によります。加入の前に、所属する自動車整備振興会で最新の内容をご確認ください。

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