特定整備の経過措置は2024年3月で終了|認証要件・整備主任者講習

特定整備制度の経過措置期間|4年間の猶予は2024年3月31日で終了

【重要】4年間の経過措置期間は終了しています

特定整備制度の経過措置期間は、2024年(令和6年)3月31日をもって終了しました。

2024年4月1日以降は、電子制御装置整備の認証を受けていない事業所が、エーミング作業をはじめとする電子制御装置整備を行うことはできません。
このページは、経過措置期間に何が認められていたのかという経緯と、経過措置が終わった現在、認証を持たない事業所が取るべき対応をまとめたものです。

特定整備制度は2020年(令和2年)4月1日から施行され、施行日から4年間の経過措置期間が設けられていました。この4年間は、一定の条件を満たす事業所であれば、電子制御装置整備の認証を新たに取得しなくても、引き続き電子制御装置の整備を行うことが認められていた期間です。2026年(令和8年)現在、その猶予はすでに存在しません。認証を持たないまま先進安全装置に関わる整備を続けている場合は、法令違反となるおそれがあります。

いま確認すべきこと/①自社の入庫内容に電子制御装置整備が含まれていないか ②整備主任者の要件を満たす人員が在籍しているか ③作業場と設備が認証基準を満たしているか。この3点が揃っていれば、認証申請の準備に入れます。

一方で、経過措置期間の内容を正しく理解しておくことは、これから認証を取得する事業所にとっても意味があります。経過措置で問われた「作業実績」と「整備主任者の資格要件」は、そのまま現在の認証基準の中身に対応しているためです。以下では、経過措置期間の条件を整理したうえで、現在の手続きへとつなげて解説します。

4年間の経過措置期間とは何だったのか

制度の切り替えによる現場の混乱を避けるために設けられた猶予期間です。

道路運送車両法の改正により、それまで「分解整備」と呼ばれていた作業の区分が「特定整備」に変更され、新たに「電子制御装置整備」が加わりました。改正法は2019年(令和元年)5月に公布され、2020年(令和2年)4月1日から施行されています。詳しい制度の全体像は「特定整備制度とは」のページで解説しています。

  • 2019年(令和元年)5月 改正法の公布道路運送車両法が改正され、「分解整備」が「特定整備」に。電子制御装置整備が新設されました。
  • 2020年(令和2年)4月1日 施行・経過措置の開始施行日から4年間、条件を満たす事業場は認証なしで電子制御装置の整備を継続できることとされました。
  • 2021年(令和3年)3月31日 整備主任者の経過措置が期限講習の受講計画書の提出期限。未受講のままだと整備主任者の選任が解除されます。
  • 2024年(令和6年)3月31日 4年間の経過措置が終了翌4月1日以降、電子制御装置整備を行うには認証が必須になりました。
  • 2026年(令和8年)現在猶予はありません。認証を持たないままエーミング作業を続けている場合は法令違反となるおそれがあります。

カメラやレーダーを備えた運転支援装置は、施行前から広く普及していました。施行日をもって一律に認証を必須とすると、すでに現場でエーミング作業を行っていた事業所が突然作業を続けられなくなってしまいます。そこで、施行日から4年間、つまり2024年(令和6年)3月31日までを経過措置期間とし、条件を満たす事業所は認証を取得しないまま電子制御装置の整備を継続できることとされました。整備主任者の資格要件についても、これとは別に1年間の経過措置が設けられていました。

経過措置として認められた条件

経過措置として認められる条件は、大きく分けて2つありました。

自事業所がどちらに当たっていたのかを、以下の2点で確認します。

2020年(令和2年)3月31日までに、今回新しく認証が必要となった電子制御装置の整備を行ったことがある事業所については、2024年(令和6年)3月31日まで、引き続き電子制御装置の整備を行うことができます。


2020年(令和2年)3月31日までに電子制御装置の整備を行ったことのない事業所については、新たに電子制御装置整備の認証を受ける必要があります。

つまり、施行日より前から実際にエーミング作業などの電子制御装置整備を手掛けていた実績があるかどうかが分かれ目でした。実績があった事業所は4年間の猶予を使うことができましたが、その猶予は期間の満了とともに失われています。実績がなかった事業所は、はじめから新規の認証取得が前提とされていました。

なお、経過措置は「認証を取らなくてよい」という恒久的な例外ではなく、あくまで期限付きの取り扱いでした。2024年4月1日以降にエーミング作業を含む電子制御装置整備を行うためには、経過措置を利用していた事業所であっても、地方運輸局長の認証を受けている必要があります。

整備主任者の資格要件に設けられた経過措置

事業所と同様に、整備主任者の資格要件にも経過措置がありました。

事業所の経過措置とは別に、整備主任者については1年間の経過措置が設けられ、次の2点が条件とされていました。

資格要件を満たしている整備主任者が、事業所内に1人以上いること。


2021年(令和3年)3月31日までに、講習を修了する内容を記した計画書を提出すること。

電子制御装置整備の整備主任者になるためには、1級自動車整備士(1級二輪自動車整備士を除く)、または1級二輪自動車整備士もしくは2級自動車整備士であり、かつ電子制御装置整備に関する講習を修了していることが求められます。制度の切り替え時点で講習の受講機会が限られていたため、期限までに受講計画を提出することで、実際の受講を後に回すことが認められていました。

整備主任者の経過措置で特に注意が必要だった点

「計画書を出したかどうか」ではなく「講習を修了したかどうか」が問われます。

上記2つの条件のうち、2つ目には注意が必要でした。2021年(令和3年)3月31日までに講習を受けていなかった場合、整備主任者の選任が解除されてしまうためです。整備主任者が不在の状態は認証の要件を欠くことになり、最悪の場合、整備工場に対して立入検査が実施されることもあります。

現在では、電子制御装置整備の整備主任者に関する講習は各都道府県の自動車整備振興会などで継続的に実施されています。人員の入れ替わりで有資格の整備主任者が不在になっていないか、届出内容が現状と合っているかを、あらためて確認しておくことをおすすめします。

経過措置終了後(2024年4月1日以降)の取り扱い

認証がなければ、エーミング作業を伴う整備は受けられません。

経過措置が終了した現在、電子制御装置整備に該当する作業を行うには、分解整備(従来の認証)とは別に、電子制御装置整備の認証を受けている必要があります。認証を受けずにこれらの作業を行うことは道路運送車両法に違反し、事業停止などの行政処分の対象となるおそれがあります。

電子制御装置整備に該当する主な作業は、次のようなものです。自社の入庫内容と照らして確認してください。

  • カメラが取り付けられたフロントガラスの交換・脱着
  • ミリ波レーダーや超音波センサーが取り付けられたバンパー・グリルの脱着
  • センサーやカメラが内蔵されたドアミラーの交換・脱着
  • フレーム修正を伴う鈑金塗装修理
  • 衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱警報装置に用いるカメラ・レーダーの取り外しや調整
  • 自動運行装置の取り外し、または作動に影響を及ぼすおそれのある整備・改造

どの車両がエーミング作業の対象になるかは、車両ごとに異なります。メーカー名または車台番号から対象車両を検索できるツールを用意していますので、入庫時の判断にご活用ください。作業内容の詳細は「エーミング作業とは」のページで解説しています。

これから電子制御装置整備の認証を取得する手順

認証は地方運輸局長が行います。実務の窓口は管轄の運輸支局です。

新たに電子制御装置整備の認証を受ける場合、大まかな流れは次のとおりです。準備に時間がかかるのは作業場の確保と整備主任者の講習修了の2点で、思い立ってすぐに認証が下りるものではありません。早めの着手が肝心です。

  • 対象作業の洗い出し:自社の入庫内容のうち、どの作業が電子制御装置整備に該当するかを確認します。
  • 作業場・車両置場の確保:電子制御装置点検整備作業場の間口・奥行、天井の高さ、床面の平滑性などの基準を満たす場所を確保します。基準の詳細は「特定整備制度」のページに一覧を掲載しています。
  • 設備・機器の準備:対象車両の車載式故障診断装置に対応したスキャンツールは、認証要件として設置が義務付けられています。ターゲット・リフレクター、水準器、デジタル角度計などもあわせて確認します。
  • 整備主任者の要件を満たす:1級自動車整備士(1級二輪を除く)または2級自動車整備士等が、電子制御装置整備の講習を修了している必要があります。
  • 認証申請と実地調査:管轄の運輸支局へ申請書類を提出し、作業場や設備の確認を受けます。認証後は、認証工場の標識や整備料金の表示など、認証事業者としての義務も生じます。

必要書類や様式、講習の実施日程は地域によって異なります。管轄の運輸支局または各都道府県の自動車整備振興会の案内を必ず確認してください。

整備主任者講習(電子制御装置整備)の受け方

認証取得で最も日数がかかるのが、この講習の修了です。

電子制御装置整備の整備主任者になるには、1級自動車整備士(1級二輪自動車整備士を除く)、または1級二輪自動車整備士もしくは2級自動車整備士であることに加えて、整備主任者講習の修了が必要です。講習は「学科」と「実技」の2つで構成され、受講後の筆記試験に合格することで選任が可能になります。

  • 学科講習:電子制御装置の構造や特定整備制度、エーミング作業の基本を学びます。自動車検査員研修や整備主任者研修のうち、2020年以降に行われ学科講習の内容が含まれるものを受講している場合は、学科講習を受講したものとみなされます。
  • 実技講習:実車を用いたエーミング作業の実習です。各自動車整備振興会や自動車車体整備協同組合、ディーラー等で行われたエーミング講習を受講している場合は、実技講習を受講したものとみなされます。
  • 筆記試験(試問):講習内容の確認が行われます。合格後に整備主任者としての選任が可能になります。

実施日程・申込方法・受講料は都道府県ごとに異なり、開催回数も限られます。認証申請の予定から逆算し、早めに各都道府県の自動車整備振興会へ問い合わせておくことが重要です。人員の入れ替わりで有資格の整備主任者が不在になっていないか、届出内容が現状と合っているかも定期的に確認してください。

選任後は、実施した特定整備の内容を記録に残す実務が続きます。記載事項と保存期間は「特定整備記録簿の書き方」で解説しています。

自社で認証を取らない場合の選択肢

すべての事業所が自社で認証を取る必要はありません。

設備投資や作業場の確保が難しい場合、電子制御装置整備に該当する部分だけを、認証を受けた他の事業所へ依頼するという選択肢があります。板金塗装や硝子交換の工程だけを外部に出す形と同じ考え方です。ただし、その場合も「どの作業が電子制御装置整備に当たるのか」を自社で判断できなければ、うっかり無認証で作業してしまうリスクが残ります。

また、外注を前提にする場合は、入庫から引き渡しまでの日数が延びやすくなります。見積時点で対象車両かどうかを判定し、外注先の予約と作業指示、費用の転嫁までを段取りできる体制が必要です。対象車両の判定は、車台番号やメーカーからの検索で早い段階に済ませておくと、後工程の手戻りを減らせます。

特定整備の経過措置に関するよくある質問

経過措置期間はいつまででしたか。延長はありますか。

2020年4月1日の施行から4年間、2024年(令和6年)3月31日までです。2026年現在、この経過措置は終了しており、延長の措置は設けられていません。認証を取得しないまま電子制御装置整備を続けることはできません。

経過措置を利用していた事業所も、あらためて認証が必要ですか。

必要です。経過措置は期限付きの取り扱いでしたので、2024年4月1日以降にエーミング作業などを行うには、電子制御装置整備の認証を受けている必要があります。

認証を受けずにエーミング作業を行うと、どうなりますか。

道路運送車両法に違反し、事業停止などの行政処分の対象となるおそれがあります。また、先進安全装置が正しく作動しない状態で車両を引き渡した場合、事故につながる重大な責任問題にもなり得ます。

整備主任者の講習は、今から受けることもできますか。

電子制御装置整備の整備主任者に関する講習は、各都道府県の自動車整備振興会などで継続して実施されています。実施日程や申込方法は地域によって異なるため、管轄の振興会・運輸支局へご確認ください。

エーミング作業が必要な車両かどうかを、その場で調べる方法はありますか。

メーカー検索と車台番号検索の2通りで対象車両を確認できる検索ツールをご利用いただけます。フロント業務の見積時点で判定しておくと、入庫後の手戻りや納期遅れを防げます。

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特定整備の認証事業者は、点検整備記録簿の記載と保存が求められます。紙の記録簿を手書きで運用していると、認証後に増える書類の負担がそのまま人手の負担になります。日本カーネットの自動車整備システム「DREAM POWER」であれば、見積・請求から記録簿の作成・電子保存までを1つの自動車整備ソフトで扱えます。スマホからの車歴入力や記録簿の電子保存に対応した仕組みも用意しています。

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整備ソフト 安い導入を優先する場合、必要な機能だけを選べる構成にすることが第一です。また、リース契約を前提としない整備システム リースなしの導入形態や、IT導入補助金の対象となる製品を選ぶことで、初期費用の負担を下げられる場合があります。整備・車両販売・鈑金見積システム、スマホ車歴、記録簿電子保存システムはIT導入補助金に対応しています。

関連ページ・お問い合わせ

制度の全体像と、実際の作業内容もあわせてご確認ください。

特定整備制度とは分解整備との違い・認証区分・作業場の基準
エーミング作業とは対象となるケースと必要な設備・工具
特定整備記録簿の書き方記載事項・保存期間・記入例・電子保存

※本ページは制度の概要をわかりやすく整理したものです。認証申請の可否や必要書類の最終的な判断は、管轄の運輸支局または各都道府県の自動車整備振興会にご確認ください。